HOME > コラム > 愛される店の理由 繁盛店ご紹介 焼鳥「鳥よし」
平成6年の創業店は中目黒で14坪。
猪股善人社長は長く(株)三好コーポレーションの焼き鳥部門の長として活躍された方。
この創業店は、開店し半年ほどで月商1千万円を超え、その盛況は業界ではあっという間に著名となった。
その繁盛店づくりの秘策をうかがうと、『普通に普通の焼き鳥を、きちんとまじめに提供している、それだけ』と。
フランスで品種改良された鶏種。その伊達鶏は安全穀物の飼料で、農家で丁寧に平飼いされる。その肉質は、秋田比内などの銘柄鶏に比べると、柔らかくジューシーで風味も良い。野菜は、「旬と産地」での提案を得意とする豊洲場内青果商からのもの。野菜選びの秘訣は「はしりと旬」。
店主はじめ従業員全員で丸鶏の解体から串打ちまで丁寧に手作業する。食材の扱いに手抜きは一切ない。美味しさの基本はやはり丁寧な手仕事での仕込みと見うけられる。
本物の備長炭をふんだんに使う焼き。伝統的な大団扇(うちわ)使いに熟練された技、それは焦がさず瞬時に焼き上げる妙手の技だろう。
内装には高額な「檜のカウンター」を設え、老舗の江戸前鮨屋にもひけをとらない。また鳥よしの一番の特徴は、焼き台からの排気が全て床下に引かれていること。煙、臭い、店内の見通しに有利な方法。
類似するのは伝統的な江戸前天ぷら店や焼肉店だが、臭くならない、煙くない、それにカウンター越しに職人さんと近い。来店客の好感を獲得する最大の店装のポイントだろう。
客単価は4,200円~6,500円程度。顧客は安価と感じている様子。味の良さ、丁寧な調理、従業員の人柄、店装店格。ここはリーズナブルという感覚。飲食店が繁盛する基本の一つは「提供満足に対して安価」という評価。この提供満足対価格ギャップは、どんな業態店にも通じると思う。
2号店は西麻布で32坪、1999年開店。カウンター個室での貸切りなどができ、焼鳥店では珍しい趣向。銀座店24坪はコリドー街1階に2004年開店。卓席個室があり大いに好評。赤坂店(32坪)は木造2層での新築一棟(2007年開店)。2階にもカウンターを設えその落ち着き感が好評。また中目黒本店の至近には分店(18坪)を開業(2018年開店)。個性の異なる各店の共通項は、提供する満足に対して大いにリーズナブルなこと。
鳥よしさん赤坂店にて厨房設備、食器等の提案者は(株)マルキ。
マルキが、奨めた厨房機器は、グラス洗浄機。
焼き鳥店としてはワイン消費が多く、ビールも薄手のグラスを使い磁器での生ビールも提供する。
店面積にしては席数が多いからグラス類を洗う手間ははかり知れない。
グラス洗浄機のポイントは、グラス洗浄で拭き上げ作業が不要なこと。
純水器を使う洗浄は、洗いあげたグラスにスポット(水あか)が残らない。
サイズも小さく、導入費用もそれほどではない。
鳥よし赤坂店ではウィンターハルター製だが、優良な国産も是非お奨めしたいものです。
鳥よしさんの、店舗物件探しから不動産契約交渉や賃料交渉、
そしてその飲食スタイルから店舗の設計施工を手がけました。
実は、繁盛店づくりの要は開店後に始まるもの、この気持ちは決して忘れません。